Lumen Technologies | FinOpsソリューション | 読了時間7分
状況を把握できないクラウドに無駄な費用を支払うことにうんざりしている財務・IT経営者向け実用ガイド
正直な話、企業のクラウド請求書にはおそらく、CFOが思わず眉をひそめたくなるような項目がいくつか含まれているのではないでしょうか。
たとえばそれは、毎週末に高額なスクリーンセーバーのようにアイドル状態になっている、大容量の仮想マシンかもしれません。あるいは、3つの異なるチームがそれぞれ個別に購入したため互いに連携することがない、3つのオブザーバビリティ・ツールかもしれません。もしくは、単に「支出が多すぎるのは分かっているが、どこに問題があるのか分からない」という漠然とした不安かもしれません。
そんな状況に陥っているのは珍しくありません。
アジア太平洋地域全体で、多くの企業が同じような矛盾した状況に直面しています。クラウドはITコストの削減と業務の迅速化をもたらすはずでした。しかし実際には請求額は増え続け、エンジニアリングチームは制約を感じ、財務チームは不完全な回答しか得られないような厄介な質問をせざるを得ない、といった状態です。
言わばクラウド成熟に伴うコスト負担が、企業にものしかかっているのです。FinOpsは、ビジネス効率を取り戻すための第一歩です。
FinOpsが必要とされる理由
FinOps (Financial Operations [財務オペレーション])とは、クラウドやハイブリッド・インフラストラクチャの変動費モデルに財務責任を持ち込むためのアプローチです。これは単なるコスト削減策ではありません。正しく実践されれば、価値創出を早める取り組みとなります。つまり、インフラストラクチャへの投資額がすべて無駄なく、確実にその価値を発揮するようになります。
その重要性は計り知れません。Finops.orgが2025年に実施した業界調査によると、回答者の50%がワークロードの最適化と無駄の削減を優先事項として挙げています。クラウドにおける無駄の大部分は、アイドル状態のリソース、過剰プロビジョニング、割引の未適用、可視性の低さに起因しています。
年間500万ドルのクラウド利用コストを抱える中堅企業の場合、20%を削減できれば100万ドルの節約になりますが、この額が毎年無駄に消えていた可能性があります。これは決して小さな金額ではありません。1人の雇用、1つの製品リリース、あるいは競争優位性を他社に譲り渡すことと等しいのです。
「FinOpsとは、単に支出を減らすことではありません。賢い支出をすること、そしてその違いを理解することなのです」
ハイブリッドおよびマルチクラウド環境への移行により、これは容易になるどころか、むしろ困難になっています。現在の組織のほとんどが、単一のクラウド・プロバイダーに「完全依存」しているわけではありません。複数のパブリック・クラウド・プロバイダーに加え、オンプレミスのインフラ、SaaSプラットフォーム、コロケーション施設を横断して運用しています。そしてそれぞれが独自の課金モデルや割引制度を持ち、明細には分かりにくい名称の付いた項目が並びます。
これを手動で管理しようとするのは、更新頻度もまちまちなスプレッドシートを使って、6種類の通貨で家計を管理するようなものです。
資金は実際にどこに流れている(そしてどこで取り戻せる)のか
優れたクラウドFinOpsパートナーは、コスト削減には2つの種類 があり、どちらも重要であることを理解しています。
| 直接的コスト削減 | 間接的コスト削減 |
| ●コンピューティング・リソースとデータベースの適正化 ● 営業時間外に非本番環境をシャットダウンするスケジュール設定 ● アイドル状態または孤立したリソースの削除 ● 十分に活用されていないことがよくあるリザーブド・インスタンス(料金モデル)、Savings Plans (コスト削減モデル)、割引プログラムの最適化 | ● ツールやプラットフォームの乱立の解消 ● 環境の標準化による運用コストの削減 ● ソフトウェア・ライセンスとマーケットプレイスでの調達プロセスの最適化 ● 現状、インフラの管理に費やされているエンジニアの時間の解放 |
直接的コスト削減は、四半期の業績を向上させます。間接的コスト削減は、時間の経過とともに効果が上がっていきます。優れたクラウドFinOpsパートナーは、どちらのコスト削減も提供します。とはいえ、容易に得られる成果だけではありません。
本当に求めているのは、ダッシュボードでしょうか、それとも成果でしょうか。
多くの企業がここで失敗している点になります。
クラウドFinOps市場には、見栄えの良いコスト可視化プラットフォームを売りつけ、背中をポンと叩いて「後は頑張って」とばかりに、その後の支援がないベンダーも少なくありません。
クラウド支出を美しくまとめた円グラフは手に入りますが、
実際に問題を解決してくれる人を手に入れたわけではありません。
真のFinOpsパートナーは、UIの見栄えの良さではなく、彼らが見つけた機会を御社が効果的に実行に移せるよう支援できるかで評価されるべきです。
つまり、エンジニアリング能力、運用上の規律、そしてレポート提出後も責任を持ち続ける姿勢が求められます。
では、パートナーの評価はどのように行えばよいのでしょうか。
以下に、評価の際のスコアカードを記載します。
パートナー評価スコアカード
- ハイブリッド環境全体の可視性: パートナーが1つのクラウド・プロバイダーしか把握できない場合、それは「クラウドFinOps」とは言えません。問題全体の一部しか見えていないことになります。パブリック・クラウド、オンプレミス・インフラ、SaaS、コロケーションなど、あらゆる環境にわたるデータを収集して正規化できるパートナー、さらにはリソース配分、異常検知、予算策定、予測機能をサポートできるパートナーを探してください。ハイブリッド環境の可視性はもはや「あれば便利なもの」ではなく、最低限の条件です。
- 理論上のコスト削減ではなく、成果重視の評価: 優れたクラウドFinOpsパートナーは、財務、エンジニアリング、業務の各チームが一堂に会する、構造化された部門横断的なワークショップを実施します。その成果として求められるのは、ユニット・エコノミクス、サービス・コスト、価値指標といった実際のKPIに直結する、優先順位の示されたロードマップです。決して実行されない「潜在的なコスト削減」を羅列するのでは、成果とは言えません。もし彼らが成功の定義を示せないなら、それは別のパートナーを探すべきという合図です。
- 実行力: これが最大の差別化要因です。パートナーはガバナンスを実際にオペレーションできるのでしょうか、それとも推奨事項の提言だけで終わってしまうのでしょうか?クラウド移行(シンプルな移行 だけでなく複雑な移行も含む)、バックアップとストレージ、コロケーション・サービスなど、実績のあるマネージド・インフラ機能を有する企業であるか確認してください。コスト削減の機会を見つけるのは簡単です。しかし、その効果を継続的に実現する段階で、多くの取り組みは失敗します。
- 単発のプロジェクトではなく、継続的な最適化: FinOpsは「完了」するものではありません。環境は絶えず変化し続けるため、最適化の手法もそれに合わせて変化させる必要があります。エンゲージメント・モデルには、自動化、ポリシーベースの制御、および定期的なレポーティング体制を組み込むべきです。最適化が人の手やスプレッドシートに依存しているのでは、人員の入れ替わりに対応できません。
実践における「優れた」姿とは
最高のクラウドFinOpsのエンゲージメントには共通点があります。それは、まず現状をありのままに把握することから始め、優先度の高いアクションに迅速に移行し、避けられない人員異動やアーキテクチャの転換にも耐えうるガバナンス体制を構築することです。また、こうした取り組みには、財務面と技術面の両方を理解する人材も必要となります。つまり、割引プログラムの仕組みに精通した人員や、深夜2時に本番環境を停止させることなくデータベースを適正化できるエンジニアです。
このような両面をカバーできる体制というのは、多くのベンダー資料が示唆するほど一般的なものではありません。
RFPの段階で、厳しい質問を投げかけましょう。具体的なコスト削減効果が初めて現れるまでに通常どれくらいの期間がかかるのか、そして提案が提示された後に誰が責任を負うのかについても尋ねてください。
クラウド環境は生きたシステムで、コストと同時に価値も生み出します。正しいFinOpsパートナーは、確実に価値重視へと舵を切る手助けをしてくれます。そしてそのことを、レポートでの報告だけではなく、具体的な成果をもって裏付けてくれます。
結局のところ、賢くお金を使ったことを後悔する人など誰もいないということです。
クラウド支出の見直しをご検討中ですか?
LumenのクラウドFinOpsチームは、アジア太平洋地域の企業と連携し、評価、優先順位付け、実行までを包括的に支援します。報告だけで済ませることはありません。
お問い合わせはこちらまで: apac.mail@lumen.com
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