セキュアアクセスサービスエッジ(SASE)は、急速に進化するネットワークアーキテクチャの世界における効率とセキュリティの指針として存在しています。しかし、SASEの導入は単独作業ではなく、ITチーム全体が関与する共同作業です。この記事は、SASEの導入と保守を成功させる上でITが果たす重要な役割について、ネットワークアーキテクトに指針を示すことを目的としています。
SASE導入に向けたITチームの準備
SASE導入を開始する前に、移行に対するITチームの準備態勢を整えることが非常に重要です。以下は主な準備手順です。
- 教育:ITチームにSASEの基礎、メリット、および導入プロセスを説明します。SASEとは何か、なぜ採用が進んでいるのかを理解することで、共通のビジョンが生まれ、協力が促進されます。
- スキル評価:チームがSASE導入に必要なスキルを備えているかどうかを確認します。備えていない場合、トレーニングの提供または専門家の雇用を検討します。
事業目標との整合化:ITチームに、SASEと自社の全体的な事業目標の整合性についての理解を徹底させます。この整合化により、移行中の目的意識と意欲が高まります。
SASE導入におけるITの役割
準備完了後の導入段階では、ITチームが中心的役割を担います。
- 導入計画:チームは導入計画を策定する必要があります。これには、SASEアーキテクチャの定義、スケジュールの設定、適切なSASEプロバイダーの選定が含まれます。
- ネットワーク設定:ITチームは、自社の要件とプロバイダーのガイドラインに従ってSASEネットワークを設定する責任があります。
テストとロールアウト:設定後、チームはシステムをテストし、問題があれば修正し、段階的なロールアウトを監督する必要があります。
SASE導入後のITの責任
SASEの導入が成功したらITチームの役割が終わるわけではなく、継続的な責任があります。
- 監視とトラブルシューティング:ITチームは、SASEシステムを監視して期待どおりに機能していることを確認する必要があります。また、問題の発生に備えてトラブルシューティング体制を整えておく必要もあります。
- 更新とアップグレード:SASEインフラストラクチャの更新とアップグレードを続けることはチームの権限内にあり、最適なパフォーマンスとセキュリティを確保するために必要です。
- レポート:ネットワークパフォーマンス、セキュリティ状況、その他の関連指標に関する定期的なレポートは、SASEの影響評価や情報に基づいた意思決定に役立ちます。
SASE保守に関するITチームの教育
SASEは比較的新しい分野であるため、トレーニングが重要です。効果的なSASE保守に必要なスキルをITチームに身に付けさせます。これには、正式なトレーニングコース、ウェビナー、あるいは実地トレーニングなどが挙げられます。また、SASEの最新動向やテクノロジーを常に把握するために継続的な学習環境をつくります。
SASEを導入するとネットワークの効率とセキュリティを強化できますが、SASEの効果的な導入と維持には豊富な知識を備えた専任のITチームが必要です。SASE導入に向けてITチームの準備態勢を整え、導入の指針を示し、導入後の作業を任せ、必要なトレーニングを提供することにより、SASEへのスムーズな移行と長期的な成功を確保できます。十分な準備と意欲のあるITチームと共にSASE導入を開始して、ネットワークのセキュリティと効率の向上を目の当たりにしてください。